九州・沖縄発 一流のオトナを諦めないあなたに贈るフリーマガジン変革をあきらめないオトナたちへ BOND

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文化財保護活動 CULTURE

今回ご紹介するのは

後世に遺すべき文化的価値のあるものを、私財を投じて保護している

という「文化財保護活動」に従事する方々だ。


2017年4月15日(土)AM10:00。
大分県日田市の「パトリア日田」(日田市民文化会館)には多くの文化財が集まっていた。

今年で17回目を迎えるヒストリックカーのツーリングラリーイベント

「チェント・ミリアかみつえ」

をレポートさせていただく。


パトリア日田の前は参加するヒストリックカーがずらりとならんでいる。


開会式はパトリア日田のホールにて。

日田市長の挨拶から大分県警の方まで登場。
これはただの愛好家の集まりではないことを感じる。

そう、この「チェント・ミリアかみつえ」は

「自動車文化の構築」
「交通安全啓蒙活動」
「地域の活性化」

への寄与を目指すというちゃんとした自動車イベントなのである。


スタート時刻が迫ると、参加しているヒストリックカーを見学しようと
地元から、あるいは県外からたくさんのギャラリーが集まっていた。

そんな大勢のギャラリーに見守られながらスタート。


配布される走行指示書を助手席に座る文字通り「ナビゲーター」が読み、
ドライバーに指示をして主催者が設定するコースを正確に走らなければならない。

途中にチェックポイントやクイズポイントが設定されている、
道を間違えて大幅にタイムロスするとペナルティになるのはもちろん、
スピード競技ではないので速すぎてもペナルティだ。

そして特徴的なのは必ず地元の代表的な観光地を通ることだ。

日田温泉街から豆田の町並みを通って杖立温泉へ。

※写真は公式サイトより
この時期の杖立温泉といえば「こいのぼり」だ。
河原まで降りて沈下橋を渡ったところにチェックポイントが
設けられているというニクい演出(笑)

手前からロータス・エラン、ポルシェ356、アルファロメオ・ジュリアスパイダー

いまさら念を押すまでもないが、紛れもない文化財だ。

しかもオーナー達は過度に労わることなく、時には容赦なく愛車に鞭を入れ
快音を響かせてヒストリックカーを走らせる。


ロータス・ヨーロッパ、前を走るのはアルファロメオGT1300ジュニア

俺は夢を見ているのか…?

軽く30年以上前のクルマを遠慮なく走らせるにはきちんとしたメインテナンスが
必要であることは言うまでもないだろう。


SPA直入サーキットにて。

アルピーヌA110とロータス・エラン・スプリント。


ミニジェムGTなんて「GT Roman」(漫画)でしか見たことない…

「チェント・ミリア」はイタリア語で「100マイル」(160km)。
その名の通り、1日あたり約160kmのコースを走る。

阿蘇・くじゅうの道、約160kmを走り切り、宿に着いて初日は終了。

夜はもう一つのお楽しみであるパーティーだ。


サクソフォンの生演奏で始まったパーティー、ゲストに阿蘇市長が登場。

阿蘇市の新成人しか聴くことができないという阿蘇市長の歌を聴くことができた。
※youtubeで「阿蘇市長・歌」で検索するとたくさんでてきます(笑)


↑この方はチェントミリア仕掛け人の高谷さん。
横浜市在住なのだが毎年チェント・ミリアのコース設定のため
しょっちゅう九州に来られている。

もちろんコース設定だけでなく、自治体やチェックポイントなどに
利用する施設との調整の大変さは想像に難くない。

17回も続いているのは高谷さんのクルマに対する情熱と参加者の方の理解によるものだろう。

笑いあり、涙ありで盛り上がったパーティーも終了。

翌朝…

昨日は薄暗くなってからの到着で雨も降り出したのでよく見ていなかったのだが、


ホテルの駐車場はまるで博物館状態だった(笑)

2日目のスタートに備えて各自クルマのチェック、準備などを行う。


前日にブレーキの不調を訴えたホンダS600修理中。
こういうイベントならではの光景だ。


英国車同士の2ショット。
左が1959年式のオースチン・ヒーレー・スプライト
右が2017年式のアストンマーティン・DB11

58年の歳月で得たものとは…?失ったものとは…?

二日目は主に阿蘇周辺を巡るコース。


熊本地震の影響で運休が続いている南阿蘇鉄道の「長陽駅」にて。
ジャガーXK120(1954年式)


雰囲気最高の駅舎には「久永屋」さんというカフェが入っていて、
参加者はここでティータイム。


こういう光景は滅多に見られない…


ランチア・フルヴィア
一行は南阿蘇一帯の美味しいルートを通って「うぶやま牧場」で
ソフトクリームを食べ(このルートチョイス最高・笑)、一宮へ降りて
この日のハイライトのひとつ阿蘇神社の門前町へ。


ここでも沢山のギャラリーが大歓迎で手を振ってくれる。
先頭はダットサン・フェアレディ
知らなかった人もこんな珍しいクルマが沢山やって来れば自然と笑顔も溢れる。


昼食ポイントとなった阿蘇マルシェ会場にて。
そりゃトヨタ2000GTが色違いで2台も現れたらビックリもするだろう(笑)

さて、ここまでくるとチェント・ミリアもいよいよ終盤。

ゴールの山鹿市へ向かって北上する。


阿蘇五岳をバックにトライアンフTR-4A(ちょっとしか写ってないけど)、アルファロメオ・アルファスッド、
ランチア・フルヴィア、アルファロメオ・ジュリエッタ750B、ポルシェ911

俺は夢を見ているのか…

ヒストリックカー同士のランデヴー走行も間もなく終了、菊池市を経由して山鹿市へ。

ゴール地点は


重要文化財「八千代座」


ここでも沢山の方に出迎えていただいた。

閉会式、表彰式は当然ながら八千代座の中(!)で。


すごい、初めて中に入った。

表彰式前に舞台下の「奈落」の見学にも参加。


山鹿灯籠踊りも披露され…


山鹿市長登場。

このイベントで自治体の長が3人も登場した…


和やかな雰囲気で表彰式・閉会式が執り行われ、二日間にわたって
開催された「チェント・ミリアかみつえ」は終了した。

2日間、約320kmに渡って同行して強く感じたのはやはり主催者の高谷さんと
参加者の皆さんのクルマに対する情熱(愛情)だ。

確かに観光地などを通過する時は「晴れ舞台」とも言えるが、それ以外の
コース上でボンネットを開けて路肩に停まっている参加車両を見たのは
一度や二度ではない。普通に走らせるのも大変なのである。

「金持ちのクルマ道楽」などと言う人も居るかもしれないが、古いクルマを
維持するにはお金だけ払えばなんとかなるというものではない。

とっくに製造中止になっている部品を海外から探してきたり、場合によっては特注で作ったり…

乗ったら乗ったで、途中で調子が悪くなって路肩で直したり…とにかく情熱が必要だ。

8つも自動車メーカーを擁し、自動車大国と言われる日本だが
モータースポーツやヒストリックカーといった文化面に関してはてんでダメ
「自動車文化後進国」としか言いようがない。

特にクルマを大事に乗って長く維持するとだんだん税金が上がってくるという
世界に恥ずべきクソ税制に関しては1日も早くなんとかしなければならない。

しかしながら最近は自治体レベルでのクラシックカーイベントの誘致も行われる
ようになり、古いクルマに対する理解度が上がってきたような傾向も見られる。

欧米を見習って先人たちの英知の結集であるヒストリックカー(日本車・外国車含む)を
大事にするという文化を育てていかなければならないと思う。

そしてこの逆風の中、文化財保護活動に携わる皆様に敬意を表して、
当レポートの締めとさせていただきたい。

***

「チェント・ミリアかみつえ」は毎年参加している常連さん達とたまに参加する方、
そして初めて参加する方々が適度にバランスしていて、決して敷居の高くない
良い意味でアットホームなイベントだった。

おそらく貴方が古いクルマを手に入れて来年チェント・ミリアに参加したとしても
すんなり溶け込んで楽しむことができるであろう。

奥様や恋人をナビゲーターにして参加され、一緒に趣味を楽しんでいる方も多く
見受けられたことも印象的だった。

ただし、走行ルートに関して揉め事が起こることも多々あり、車内の雰囲気が
険悪になったりする場合もあるとか…(笑)

あなたも大人の趣味として「文化財保護活動」に取り組まれてはいかがだろうか?

***


帰路の九州自動車道にて。

トヨタ2000GTのランデヴー走行。

俺は夢を見ているのか…?

小柳康博
小柳康博

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