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八女茶、NYで魂をこめた一滴に勝負をかける THINK

日本人にとって当たり前の存在である「お茶」。その中でも、福岡に住む我々にとって「八女茶」はお馴染みであり、茶の産地としても、全国的に知られている。現在、日本全国のお茶の生産量は、約8万トンとされているが、「八女茶」が占める生産量のシェアは、たったの2.2%しかない。その「八女茶」を、ここまで全国的に有名にした要因は、その執拗なまでの「品質」へのこだわりにある。中でも、「八女伝統本玉露」は、八女独特の厳しく定められた製法で生産される最高品質の「玉露」で、毎年開催される「全国茶品評会」において、実に16年連続「農林水産大臣賞(つまり第一位)」を獲得し続けている。そして、昨年、同茶は「世界ブランド戦略」を打ち出し、今年の3月には、ニューヨークでの試飲イベントも開催した。今まで静かに品質を磨き上げて来た「八女茶」が、突然動き出した理由は何なのか?


30年前の決断。
「品質で日本一のお茶を作る」

時代が時代なら、「無敵の剣豪」。そんな雰囲気を漂わせる、八女茶の生産技術指導員のトップである、椎窓孝雄さん。しかし、その印象はあながち的外れなものではなかった。八女茶の生産に携わること30年という筋金入りの「ミスター八女茶」こと椎窓さんに、今の八女茶に至る経緯を伺った。
「小さな生産地域でしかなかった中で、存在感を示していくには、限りなく“質”を上げていくしかない。そう考えて、品質で日本一のお茶を作ろう!と皆で決意しました」と椎窓さん。彼曰く、全てはこの決断から始まったと話す。そして、その宣言通り八女茶は、「八女伝統本玉露」で全国茶品評会「農林水産大臣賞」を16年連続受賞するだけに止まらず、2016年には日本が生産品と生産地の関係性を保護する「GI認証」を製茶業界で初めて獲得。さらに、一般生活者が最も美味しいお茶に投票する「日本茶アワード」でもグランプリを獲得するなど、八女は「玉露」としての国内タイトルを総ナメにするところまで登り詰めた。


最高峰の品質の先へ
他の産地とは違う正解を作る

この「八女伝統本玉露」が、まさに日本最高峰となった今、次の目標を伺うと、「トップの座を獲得すれば、全てが変わると思って来たが、そうはならなかったのです」という意外な答えが返ってきた。これは、どういう意味なのか? 変化しなかった要因の一つに「お茶の聖地」というイメージを持つ京都府・宇治の存在が挙げられる。宇治の玉露を追いかけ、そして、品質で追い越した時、椎窓さんは皮肉にも、「宇治」と「八女」の間にある、お茶における時間の積み重ねの差を、嫌が応にも認識することになったという。鎌倉の時代からお茶が栄えた「宇治」に対し、遅れること200年という年月の差。品質が勝っていると評価されただけでは、存在感の差を埋めることができなかったのだ。そこで椎窓さんは思考する。「歴史」と「品質」に加え、「八女茶」がこれから100年先も残っていくためには、「どんな八女茶を作るのか?」を打ち出しながら「八女茶が、どんな世界を作っていくのか?」まで考えなくてはならないと。


八女茶にしかできない
お茶の世界における「革新」

椎窓さんが言う「八女茶」が作り出す新しいお茶の世界とは何か?そのテーマは「革新」であり、答えは「八女伝統本玉露」にあると言う。この膨大な手間と根気と技術と、そして運が必要となる、まるで奇跡のようなこのお茶は、「しずく茶」と言う飲み方でふるまわれる。その渾身の一滴がもつ壮絶な「旨味」「甘み」で、多くの人のお茶の概念が変わる瞬間を見てきた椎窓さん曰く「日本中探しても、人生が変わるようなお茶はない。このお茶で、お茶と言うジャンルを飛び越えたい」と話す。「お茶というジャンルを飛び越える」というとわかりにくいかもしれないが、現在、日本でお茶といえば、基本無料で飲めるものであり、良くも悪くも、食卓やペットボトルを含めて、普通の時に飲むものである。「八女伝統本玉露」は、これとは違う世界をお茶にもたらしたいと考えている。「だからニューヨークという、そもそもお茶の概念が無い人々に、味わってもらう機会を作ったんです。八女茶がお茶を知らない世界で勝負できるのかどうかを確かめるために」と、先日ニューヨークでイベントを開催した椎窓さんは話す。日常的にお茶を飲まない彼らが、八女の生産者たちの魂がこもった一滴に「アメイジング!」という言葉を連発するのを見て、皆、大きな自信を持ったそうだ。「数年前、人生の節目に“YAME”の玉露を飲むんだ……と話す人に出会いました。それが常識となる世界を作りたいですね。その時には、八女茶全体のステージも上がっているはずですから」。チーム“YAME”がやろうとしているのは、確固たる品質に裏打ちされたお茶の概念の「革新」。時代が「本物」「本質」に回帰する今、究極の「本物のお茶」は、正に今までのお茶やジャンルを超えて、世界へ向かうだろう。


Yame Tea In New York

八女伝統本玉露の栽培生産シーンの動画などを交えて、椎窓さんが解説。一つ一つの手順を厳格に追いながら、玉露の世界を体験。また、八女伝統本玉露の他にも、八女の最高級の水出しの煎茶を始め、ほうじ茶、玄米茶などが振る舞われた。出席者たちは手持ちのスマホで一部始終を撮影するなど、本物の日本茶の世界に、非常に興味深い様子だった。


Dish & Product

今回のイベントには、全米で注目されているレストラン「シングルスレッド・ファーム」が参加。同レストランのコノートンシェフによる、料理と八女茶のペアリングがなされた。また、出席者へのお土産には、GI認定クオリティの「八女伝統本玉露」が。世界進出を機に開発されたロゴは、「表参道ヒルズ」などのロゴも手がけたDIAGRAMの鈴木直之氏が担当。
八女伝統本玉露 10g / 5,000円(税別)

八女伝統本玉露推進協議会

http://yame-tea.com

BOND 編集部

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