九州・沖縄発 一流のオトナを諦めないあなたに贈るフリーマガジン変革をあきらめないオトナたちへ BOND

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島津由行 ラストボンド INTERVIEW

RASUTO13

ドメスティックなカルチャーを残すには、きちんと「伝えること」が大切なんです。

日本を代表するレジェンドたちにこれからの「地方」について伺うLAST BOND。
今回は、男子ファッションの火付け役ともいわれるスタイリスト・島津由行氏にこれから地方がどのように生き残っていくかを伺った。雑誌『POPEYE』で、日本の男子にファッションというものを伝え、現在、日本のトップアーティストを数多く手がけるスタイリスト・島津由行氏。日本のカルチャーを先導してきた島津氏はファッションとどう関わっているのか。そして、その豊富な経験から考える地方の生き残り方についても伺ってみた。

島津由行氏(以下、島津氏) ファッションには永遠のものはありません。時が経つにつれ「あれ矛盾があるぞ?」と感じた瞬間から、そのファッションは古くなる。その矛盾という美意識を再構築して、また新しいものを創るというものの繰り返しなんですよ。そのスタンスはあらゆるクリエイションも同様だと思います。また、テーマに対する情報やバックボーンは知っていても僕は一度リセットします。その上で感覚だけでそのテーマに向き合うようにしています。そう思えるようになったのは6年間ヨーロッパを旅したからなのかもしれません。だから、感覚的に時代遅れだと感じたらスタイリストを辞めるかもしれませんね(笑)。

——例えばスタイリングを再構築する際、それが支持されないかもしれない……という恐怖心はないのだろうか。

島津 アーティストたちは、それほどスタイルにこだわりません。それよりも自分をどうエレガントに演出できるかを追求されます。例えば細かいことですが、矢沢永吉さんは手足が長くて指も細くてキレイなんです。本人も自覚されているので、その美しさがどうすれば表現できるかをミリ単位でこだわります。ファンの方に自分の完成形を見せるのが彼らの役割ですから、常にそこをこだわるんでしょうね。
多方面でも活躍の場を広げる島津氏だが、これからしたいこととは。
島津 隠居する気はありませんが、スタイリスト以外のこともしなければいけないなと最近思います。意外性のあるものを見つけてそれをすることが次の夢、というよりも次のステップなんだと思います。実は次のステップのために今、引越しを考えているんですよ。そこで老いたクリエイターのためのシェアルームを作ってもいいかなと。

——当時、若者を先導していた島津氏は今の若者たちをどう見ているのか。

島津 あんまりネガティヴには考えていませんね。今の日本の若い世代と、僕がフランスに行っていたころのフランスの若者たちに似ているように感じます。当時の若いフランス人たちのほとんどがお金をもっていません。だから、いつも誰かと飲みに行くなんてしていませんでした。また、彼らは旅行が大好きなんですが、バカンス時期にはみんなで車をシェアして旅に出るということも多かったんです。今の若い人が車を持たずカーシェアをするのと同じですよね。そういう意味ではグローバルになっているとも言えます。これで外国の方と会話ができるようになれば、もっと世界とつながるんですけどね。

——最後に、今の時代に地方の文化が生き残るには何が必要かを伺った。

島津 マジョリティーの時代が終わった現代ですから、「伝えること」が大切だと思います。地方も特産やそこにしかない小さなお店や工場をきちんと残しつつ、イノベーションして情報発信をしなければ、いつまでも薄利多売の商売をすることになる。(地方の)特性や特色をどうやって伝えていくか、それがとても重要。せっかくあるドメスティックなカルチャーが廃れていくのはもったいなく思います。

[ 島津 由行・しまず よしゆき ]

1959年、熊本生まれ。マガジンハウス「POPEYE」のスタイリストとして活躍後、現在はCM、広告媒体、「GINZA」・「花椿」などのファッション誌でのスタイリングやクリエイティブディレクションも手掛けている。また、矢沢永吉、氷室京介、岡村靖幸、そして忌野清志郎など多くのロックレジェンドのスタイリングも担当。最近はDJとしても活動を行っている。

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