九州・沖縄発 一流のオトナを諦めないあなたに贈るフリーマガジン変革をあきらめないオトナたちへ BOND

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安齋 肇 ラストボンド INTERVIEW

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日本を代表するレジェンドに、これからの「地方」について問うLAST BOND。
今回は親富孝のクラブ『graf 福岡』の10周年イベントで来福した日本唯一のソラミミスト・安斎肇氏に、
アートディレクターとしての目線から情報過多な現代における“面白さ”について伺った。

父が代筆したサインには、きっと「ソラミミの父」と描かれている。

——まずはさまざまな情報があふれ、閉塞感がある今の時代をクリエイターとしてどう捉えているのか、そしてどう楽しんでいるのかを伺ってみた。

安齋 肇(以下 安齋) 作り手という目線で考えると、どんな人でも同じスタートラインに立っていると言えるんじゃないでしょうか。それこそ、インターネットを利用してさまざまな情報ソースから作品を作ることもできます。そういう意味でも今までのアナログな作家とは全く異なる作家性が出せる状況だと思います。ただ一方で、いろんなものが出やすい反面、評価の拡大もすぐされますよね。例えば最近公開されたスターウォーズにしても、公開前まではしっかり情報制限をしていても一度公開されると評価が全世界に広がります。そこで「面白くない!」という評価が広まってしまうとその作品は一発で殺されてしまう。スターウォーズみたいなビッグコンテンンツなら(悪評が広がっても)ビクともしませんが、これが一人のアーティストだとそうはいきません。潰れちゃいますよ。だって発表した日に評価が決まってしまうんですから。作品は出しやすくてもアーティストが育ちやすい環境ではないように思います。とはいえ、今まで見向きもされなかったアーティストが注目され、大きく育つことができる環境でもあるので、とてもすごいことだと思います。今はまだ出始めという感もありますので、この先どうなるか楽しみですね。全員がメジャーで全員がインディーズという面白い状況だとは感じています。

——また、今の安齋肇がどのように形成されたのかを幼少時代の様子を伺いながら探ってみた。

安齋 小さい時はカラダが弱くて、あまり運動ができませんでした。だから必然的に本を読んだりTVを見たり、絵を描いたりする時間が多くなりましたね。それが今につながっているといえばそうかもしれませんが、僕の場合は父親が肖像画家だったので絵の手解きみたいなことをしてくれていたんです。でも、小学校も高学年になり体質も改善されたら絵への興味も無くなったんです。以前から図画工作の宿題は父が加筆してくれていました。これはきっと子供のためというより、自分の子供がダメな作品を作ることが許せなかったんでしょうね。で、中学校に上がってもそんな調子だったんですが、当然先生にバレて……。それからヘタなりにも自分で絵を描くようになりました。それと中学生の時に出会った美術の研修生を見た時、美術の講師になろうと思いました。すごく適当で、すごい長髪で、自由でとても格好良く見えたんです。絵を本格的に勉強するきっかけになっています。父はあまりアドバイスとかくれなくなっていました。リアルな肖像画と、僕の目指すヘタウマな絵は別世界ですからね。「タモリ倶楽部」に出演してからサインが欲しいと頼まれるようになり、それを父が「代わり描こうか?」と。僕は久しぶりに来たかー!と思いましたね(笑)。で、「安齋肇って描くの?」と尋ねたら、「いや、ソラミミの父って……」と。なんだそれって思いましたけど、でも今の自分を認めてくれているんだと思うと嬉しかったですね。まぁソラミミストってそもそも意味がわかりませんけどね(笑)。

[ あんざい・はじめ ]

1953年、東京生まれ。1975年に桑沢デザイン研究所デザイン科修了後、デザイン集団「グラフィック・ツアー・スーパーマーケット」を設立。その後、レコード会社勤務を経て1986年に個人事務所「ハロルド・コミックス」主宰。1992年にテレビ朝日系「タモリ倶楽部」のコーナー(現在の“空耳アワー”)に出演、日本唯一のソラミミストになる。1997年にみうらじゅん氏と「勝手に観光協会」を結成。翌年、俳優の村松利史、温水洋一らとマネジメント・オフィス(事業部)として株式会社エッグパラダイス内に「ワン・ツゥ・スリー」を設立、現在に至る。JAL「リゾッチャ」のキャラクターデザインや、NHK「しあわせニュース」のタイトル画、ユニコーンや奥田民生ツアーパンフレットのアートディレクションなどを手がけている。また、宮藤官九郎原作の絵本「WASIMO」やドローイング集「draw anzai」を出版するなどさまざまジャンルで活躍。今秋公開予定、映画「変態だ」の監督を担当する。

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