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植木宏徳 ラストボンド INTERVIEW

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日本を代表するレジェンドに、これからの「地方」について問うLAST BOND。
今回は木の葉モールに店を構える超人気青果店『やおや植木商店』の会長・植木宏徳氏に、
町における八百屋の価値について伺ってみた。

八百屋とは、町のコミュニティの中心であるべき存在。

植木宏徳(以下、植木) 今も昔もですが八百屋は、町のコミュニティの中心であるべきだと思います。町の人が集い、ここに来ればホッとする、そして知らないことを知ることができて、人と人が関わりを持てるそんな場所であることが理想の八百屋。それは、人間のパートナーとして何千年も共に歩んできた“野菜”がそこにあるからです。皆さん野菜は自然にできたものと思われているかもしれませんが、それは勘違い。野菜は人間が作り上げたものなんです。環境や自然を鑑みて、例えば寒い地域ではビタミンが不足しがちなのでそれに合わせた柑橘類を作ったり、暑い地域ではカラダを冷やす野菜を作ったりと作る人が一所懸命に、そこで生きるため人が自然と対話し作り上げたのが野菜です。だからこそ(野菜は)人間の最も良きパートナーなんです。そして人間の意志に野菜はきちんと応えてくれます。今はさまざまな栄養分がサプリメントで摂取できるように思いますが、それは栄養摂取だけにしかなりません。野菜は栄養分の摂取はもちろんですが、それだけではなく食べて“美味しい”と感じることもできるんです。そのことを一人でも多くの人に知ってもらいたいので時代と逆行しているかもしれませんが、野菜の“採れ時”“買い時”“食べ時”をひとて間かけながらお客様にお伝えしています。例えば弊社ではお客様へ積極的に話しかけて野菜をご説明しますが、これは対面販売みたいな仰々しいものではありません。野菜が美味しいかどうかを決めるのはお客様だと思っています。ですが、野菜には“採れ時”“買い時”“食べ時”がありますので、それをきちんと言葉でお伝えしているだけなんです。また、言葉だけではそれが本当に“買い時”なのか“食べ時”なのかわからない場合もあります。それをより明確にお伝えするために毎日10品目前後の試食をご用意しているんです。その試食も同じ品種で食べ比べしていただくことも少なくありません。食べ比べて「今日はこれを使った晩御飯にしよう」と思っていただければいいんです。ですから店頭に並んでいるものでも、日によってはオススメしないこともあります。「今日はトマトAよりトマトBの方が買い時ですよ。トマトAを買うなら5日後がベストです!」という風にね(笑)。お客様に“食べ時”をお伝えする理由はもう一つあります。それは毎日ご飯を作るお母さん(もちろんお父さんも)たちに少しでもラクをしてもらいたいという思いです。ご飯を食べた夫や子どもたちが美味しいと笑顔になることが、日々献立に追われるお母さんたちが報われる瞬間です。だからウチでは、サッと茹でるだけで、サッと炒めるだけでも十分美味しくなる野菜を提供しているんです。そんな風に野菜と毎日一緒にいられることが、私にとってめっちゃ幸せです。

 ただ野菜を売ることだけが自分たちの役割ではないと話す植木氏。行列ができる八百屋は、そんな彼の想いが作り上げたものといえるだろう。会話のできる店が少なくなってきた昨今、時代に関係なく人とのつながりを大切したことで彼らは支持を集めた。一朝一夕ではない信念が、現代のコミュニティを形成した一つの例が「やおや植木商店」なのかもしれない。

[ うえき・ひろのり ]

昭和5年、福岡県大川市に創業した「植木商店(現・やおや植木商店)」を展開する『株式会社オールドニュー』の3代目社長で、今年社長を息子の剛氏にゆずり、現在は同社の会長を務めている。幼少の頃から祖父に連れられて数々の農家に訪れたことがきっかけとなり、深く広い野菜の知識を得た氏は、会長職となり店頭に立つことが少なくなった今も、仕入れは必ず自分がしないと落ち着かないという。その目利きでその時一番の野菜を消費者に届けることと、孫と過ごす時間が生きがいだと話す。

[ やおや植木商店 ]

2011年4月に「木の葉モール橋本」へ出店。消費者へ野菜の「採れ時」「買い時」「食べ時」を伝えながら、その時一番の品を食卓に届けてくれる。レジ待ち30分以上の行列になることも少なくない。また北九州で新店舗の展開も構想中。こちらもユーザーの目線に立った独自のサービスを検討しているのだとか。

■住所:福岡県福岡市西区橋本2・27・2 木の葉モール橋本 1F

■電話:☎092.407.2757

■ホームページ:www.yaoya-ueki.jp

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