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家入 一真 インタビュー INTERVIEW

“逃げる”と“戦う”の違いはベクトルの方向で、本質的には同じもの。

——経歴を見て驚いたのですが、かなり特異というか波瀾万丈な道を歩まれたんですね。

家入一真(以下、家入) ははは、自分では逃げていただけだと思うんですが(笑)。中学2年生ごろから引きこもりで、これではいけないと思い、県でも有数の進学校に入学したんです。で、高校デビューをしてやる! と思っていたんですが、中学時代に友だちが一人もいなかったんでやっぱりダメで、運動会をきっかけに中退しました。 

——運動会ですか?

家入 はい。どうしても運動会に出るのがイヤで、トイレにこもった後、裸足で学校から逃げ出し電車に乗って知らない駅まで行ったんです。その時に(高校に行くのは)無理だと思いました。高校中退してからしばらくは、家でインターネットにハマっていたんですが、母の勧めがきっかけで山田かまちの絵画に出会いました。それからずっと家で絵を描いていましたね。その影響で大検を取って東京の芸大を目指したんですが、家庭の事情もあり一浪した後就職をしました。

——就職してから独立まではスムーズだったのですか?

家入 いえ。やはり対人恐怖症的なところがあって、会社に馴染めませんでしたね。最初に入ったデザイン会社でプログラミングなどを覚えて、それからプログラミングの会社など何社かに就職しましたが上手くいかなくて、いよいよ自分でやらなきゃ居場所がないと思い起業したんです。

——それで起業されたのが「paperboy &co.」なんですよね。

家入 はい。インターネットに携わって、これは新しい自己表現の場になると直感的に思ったんです。なので、それを利用した何かができないかと考えたのが「ロリポップレンタルサーバー」でした。当時のレンタルサーバーはウン万円単位のものが主流でしたが、それをもっと安くできないかと。そうすれば少なくても自分や自分の周りの人は使うはずと思い、数百円でレンタルできるサーバーという仕組みを開発しました。それがこんなに広がるとは正直思っていませんでしたね。

——家入さんにとって起業することは自分の居場所を作ることだったのでしょうか。

家入 結果的にそういうことかもしれませんね。ずっと逃げていて、ここに来てようやく居場所のようなものが見えてきたような、そうでないような……。ただ、逃げるというのは模索することだと思います。逃げる=悪という概念に日本人はとらわれていますが、それは別の方向から見ると戦っているのと同じだと思いませんか。何かから“逃げる”と何かと“戦う”の本質は同じことで、その違いはベクトルがどこに向いているかだけなんですよ。

——おっしゃるように、逃げるという選択もパワーがかなり必要だと思います。また、逃げ方を間違えば悪い結果を生むことにもなりかねませんよね。

家入 だからこそ、逃げるときは迅速にしなければいけません。ヌルヌルと関係を保ちながら逃げようとするとろくなことにはなりませんから。また、自分の居場所を一つだけに留めておくのもよくないと思います。ツイッターやフェイスブックのようなSNSでは、いろんな居場所を求めて面白い人がいれば仲間になり、それに飽きたらその関係を解除しますよね。社会もそれと同じなんです。勤めている会社だけが自分の居場所だと、そこを失うともう居場所がありません。今はどんな有名企業も明日は無くなっているという状況です。私が連続起業しているのは、自分の居場所を作るためでもあります。

——家入さんはどんなことを原動力に、多くの活動をされているのでしょうか。

家入 全てコンプレックスです。いろいろな組織を作るのも、学生時代に友だちがいなかったという思いからですし、「ロリポップサーバー」や「クラウドファンディング CAMPFIRE」を立ち上げたのもアーティストになれなかったという悔しさから。今なおコンプレックスに追われていて、この状況からいつ抜け出せるんだろうと思うこともありますね(笑)。ただ、コンプレックスを認めることで私は楽になったと思います。コンプレックスを受け入れた瞬間から、それが弱点ではなくなりますからね。だから、自分のコンプレックスを全て受け入れられる人は最強だと思うんです。もし、今コンプレックスで悩んでいる人がいれば、まずそれと向き合うことをしてほしいですね。

——では最後に福岡のビジネスマンに、ひと言エールをお願いします。

家入 地方が東京を意識する時代ではありません。自分の数メートル範囲を見て、そこにある問題を解決する。それがビジネスチャンスだと思います。そういったチャンスを捉えて、今いる居場所以外の自分の顔を作ってもらえればと思います。(BOND FUKUOKA 06掲載分)

[ 家入 一真・いえいり かずま ]
1978年生まれ。起業家/投資家/クリエイター。悪ふざけをしながら、リアル・ネットを問わず、カフェやWEBサービスや会社など、遊び場を作りまくっている。JASDAQ最年少上場社長。40社程の若手ITベンチャーにも投資している。解放集団Liverty代表、JASDAQ上場企業paperboy&co.創業者、カフェ運営企業partycompany Inc.代表取締役、ベンチャー投資企業partyfactory Inc.代表取締役、クラウドファンディングCAMPFIRE運営企業ハイパーインターネッツ代表取締役。個人名義でも多数のウェブサービスの立ち上げを行うクリエイターでもある。

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