九州・沖縄発 一流のオトナを諦めないあなたに贈るフリーマガジン変革をあきらめないオトナたちへ BOND

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岩瀬 大輔 インタビュー INTERVIEW

“若者達へ。もっとワクワクしようよ!”

東大在学中に司法試験に合格。卒業後、海外での華々しい活躍。
プレッシャーを、チャレンジへの原動力と変換させ得る、 35歳の若きエリートの横顔に迫る。

——大手がひしめく生命保険業界に新規参入するにあたっては、相当なご苦労があったのでは。

岩瀬大輔(以下、岩瀬) 実はそうでもなかったんですよ。保険って手続きとか仕組みとか、凄く面倒臭そうなイメージが強いじゃないですか。僕たちはそこをさっぱりシンプルにしただけなんですが、嬉しいことに立ち上がりから予想以上の反響を頂くことができました。大手だと、その規模の大きさがネックになって小回りが利かず、非効率な部分が多かったりイノベーションが難しいのです。そこに足を踏み入れようという若い起業家もいなかったし。新しい、若い感覚でやれば、なんとかなるものです。ベンチャーと聞くと最先端の分野だったり、オシャレな業界ばかりがその対象と思われがちですが、僕は逆に地味で渋い業界の方が面白いと思う。誰も手をつけたがらないし。生命保険業界って、まさに「渋っ!」という感じでしょ?

——幼少期をイギリスでお過ごしになった後、開成高校から東大へ。卒業後は海外でご活躍。この進路選択は、すべてご自身で判断して来たのですか。

岩瀬 イギリスに居たのは両親の転勤のためですから、不可抗力ですよね。でも、小学6年生で日本に戻ってから先の進路は自分で決めました。開成高校を選んだのは、学習塾の正月特訓講義で初めて東京のスゴイ奴ら、トップの奴らと出会ったことがきっかけ。みんな個性的で、「この中で一緒に揉まれたい」と思ったんです。一緒に過ごして面白そうな人がいる場所を選ぶ。この感覚は今も変わっていません。と、言いながらも開成を受験する時、もう一校、学芸大付属という男女共学の学校があって(開成は男子校)、帰国子女のカワイイ女の子もいっぱいいて楽しそう……なんて一瞬考えましたけどネ。

——ボストンコンサルティンググループからリップルウッドと、文字通りエリート第一線のキャリアを経て、収入もそれなりのものを得られていたことかと思いますが、そこで満足することなく再び留学。あえて苦しい状況下に身を置く理由とは。

岩瀬 全然、苦しくなんてない。楽しいですよ。だって世界が広がるじゃないですか。僕は一カ所に留まって毎日平穏に過ごすより、リスクを取ってでもワクワクできる方を選ぶんです。僕が仕事場を選ぶ時の基準は3つ。まず一緒に組む相手がしっくり来るか。そう、“人”ですね。何をやるかの前に、誰とやるかということの方が僕には重要です。2つめは、自分にしかない付加価値をどう反映させるか。ボストンコンサルティングは80人くらいの会社でしたが、リップルウッドは20人ほど。今の会社も最初は2人で始めましたから。組織は小さい方が、自分の付加価値を出せると思います。そして3つ目、社会にしっかり足跡を残す仕事。買収とか派手なことより、世の中の役に立つ分野に関わっていたい。

——ハーバードビジネススクールで得た、最大の収穫は何ですか。

岩瀬 世界80カ国から同世代の仲間たちが集まっているので、何を考え、どう行動するかという多角的な思考を学べたことと、成績が上位5%(日本人4人目のベイカースカラー)に入れたことで、自分に自信が持てました。子供の頃、イギリスで過ごした経験は大きかったですね。当然英語はできるので、あとは中身が伴えば負けない。日本人が海外で十分な活躍ができていないのは、主に語学力が原因だと思います。 それからビジネススクールでは「自ら進んでリスクを取って、社会を変革させようとする生き方が一番カッコイイ。」という意識をさんざん叩き込まれるので、将来ベンチャーをやりたい人? と聞くと、全員が手を挙げるんです。国内ではそこまで徹底して意識を育てる教育が行なわれていない。だからみんな俗に大手と呼ばれる国内企業に入って、そこでチャレンジする意欲が萎えてしまうんですよ。この傾向が変わって来れば、国内の経済はもっと元気になれると思います。

——岩瀬さんの世代は「76世代」などと呼ばれていて、各方面で多彩な才能を発揮されている方々が多いですね。

岩瀬 僕らが大学を卒業した1998年頃は国内の景気がむちゃくちゃ悪くて、就職内定率も低かった。だからみんな会社に頼らず自分でやるしかない、というマインドが生まれたのかも知れません。でも今は相変わらず景気は良くないのに、不思議なことに若者全体が安定志向になってる。だから講演会でもよく話すんですよ。人生一度きり。若いうちから安全地帯に落ち着くより、たとえ失敗をくり返してでも新しいことに挑戦する方がカッコイイんだぞって。ただ、そんな動きをより活発にさせるためには「ああいう人になりたい」という見本的なロールモデルも必要。少し前ならそれはライブドアの堀江さんだったし、最近ではGREEの田中社長とか。彼らみたいになりたい、という若者がもっと増えてほしいですね。

——書店でビジネス書のコーナーを覗くと「楽して一億稼ぐ」といったトラの巻的な本が多く見受けられます。これに対し、岩瀬さんがお書きになった「入社1年目の教科書」の中で目に止まった言葉は「宴会芸は死ぬ気でやれ」。時流とは真逆の、超アナログ的発想ですね。

岩瀬 そうですね。今は保険をメインとしていますが、今後もいろんな金融サービスを変えて行く起爆剤のような存在であり続けたいと思っています。最初にも語りましたが、僕らは決して新しいことばかりをやっているわけではない。あれこれ難しく考え過ぎてぐちゃぐちゃになっていたものを元に戻しているだけ。そうやって原点に立ち返ることで、違った発想も生まれて来る。僕より若い方々もぜひワクワクしながら挑戦する意欲を持ってほしいですね。
それから、なにか仕事を始めるなら、多様な仲間と一緒にやるということも大事。うちも保険会社の出身者だけが集まっていたら、今は無かったでしょう。ちなみに常務の中田は元スターバックスの役員で、彼女がマーケティングをプロデュースしたからこそ面白いものができた。そういう多様な仲間と一緒にやることが大事だと思います。(BOND FUKUOKA 02掲載分)

[ 岩瀬 大輔 ・ いわせ だいすけ ]
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役副社長
1976年埼玉県生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。1998年卒業後、ボストン・コンサルティング・グループなどを経て、米国に留学。2006年ハーバード経営大学院(HBS)を日本人4人目の、ベイカー・スカラー(成績上位5%表彰)として修了。帰国後ライフネット生命保険設立に参画。2009年より現職。 2010年、世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」に選出。内閣府IT戦略本部専門調査委員。

ライフネット生命 – http://www.lifenet-seimei.co.jp/
生命保険立ち上げ日誌 – http://blog.livedoor.jp/daisuke_iwase/
twitter – @totodaisuke

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