九州・沖縄発 一流のオトナを諦めないあなたに贈るフリーマガジン変革をあきらめないオトナたちへ BOND

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鎌田 和彦 ラストボンド INTERVIEW

“失敗した方が人生面白い”

景気の停滞や政治不信に伴い、消費が低下している昨今。その影響は今までショッピングを楽しんでいた世代にも及び、ショッピングのスタイル自体が変化してきた。福岡のストリートの代表格・大名の現状もショッピングスタイルの変化によるものと考えられるだろう。

10年ほど前までは、大名の隠れた名店でファッションアイテムを探すことがオシャレのステータスだった。しかし現在では、商業施設やwebショップなどでのショッピングが主流となっている。このような状態は、はたして地方経済にとって有益なのだろうか。そんな疑問を、『BEAMS 福岡』で21年間大名を見続けている株式会社ギンガムの鎌田代表にぶつけてみた。

以下、鎌田和彦氏 ー『BEAMS 福岡』をオープンした当初大名にあったのは、この近くにあった焼肉店ぐらいだったと思います。その頃の『BEAMS』のコンセプトは「お客様に来てもらえる店」でした。そのため『BEAMS 福岡』も、駅や主要な商業地域から少し離れた大名で展開したんです。ここのオープン以降、大小さまざまなショップが増えて大名は盛り上がっていましたね。あの頃当店でセールをすると、(天神)西通りを超えて西鉄グランドホテルまで行列ができることもありましたから。

しかし今は、店舗側からお客様に近づくことが必要となってきました。これは消費者のこだわりの変化や成熟度が関わっているのだと思います。20年前と比べて、今は洋服より楽しいものがたくさんありますよね。そのため洋服だけに満足感を求める人が少なくなったのだと。そう考えると、お客様のニーズが買い物がしやすい駅ビルや商業施設に移行するのも仕方がないのかもしれません。だからといって、資本力のある東京主体のショップばかりでは、街の個性が失われます。私としては、個人が主張できる小さなお店が出店できる環境づくりが必要だと思います。そのためには、多くの方に独立や起業をしてもらいたいですね。失敗を恐れて独立や起業を否定的に話す方もいますが、失敗から学ぶことの方が多いんですよ。私もたくさん失敗していますから(笑)。

ただ、失敗してもフォローしてもらえる環境は必要だと思います。失敗した人を見て「やっぱりな」と言ってしまうのではなく、「大丈夫、次がある」と言える、そんな社会やシステムを構築していかなければいけませんね。いろんな方が新しいことにチャレンジして個性的なショップを展開することで、福岡の個性や良さが(街に)出てくると思うんです。個人の力がおのずと福岡のオリジナリティになっていくんじゃないかと。『一風堂』や『八兵衛』も福岡から東京に進出していますが、どの店も個人の力が福岡の魅力に変わっています。独立や起業は、そのスタートに立つことではないでしょうか。 国内の情勢が安定を欠いている今、大きな幹にしがみつきたくなるのは人の常。しかし、そこから一歩踏み出せるか否かが、地方経済ひいては日本を動かすカギになる。

失敗をも楽しみながら現在の地位を確立した大名のパイオニア・鎌田氏の言葉は、曇天の日本に射す一筋の光のようにも感じた。

[ 鎌田和彦・かまた かずひこ ]
昭和28年(1953)生まれ。九州産業大学芸術学部写真映像科在学中にしていた東京のアパレルショップでのアルバイトがきっかけで、天神コアで8坪ほどのアパレルショップをオープンさせる。その後『株式会社ギンガム』を設立し、いくつものアパレルショップを展開。1991年には大名で福岡1号店となる『BEAMS 福岡』をオープンさせた。現在は『BEAMS 福岡』のほか、『BEAMS WOMEN』(天神)、『BEAMS 博多』(博多)など計5店舗を展開。

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