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木村英智 インタビュー INTERVIEW

“人の手によって生まれた観賞魚のために晴れの舞台を。”

金魚を中心にカラフルできらびやかな観賞魚が、光や装飾で彩られたアート作品として展示される『アートアクアリウム展 金魚シリーズ』。
2月に開かれた大阪会場では10万人を突破し、今、日本を飛び出し世界中から注目を浴びている。
その『アートアクアリウム展』の総合プロデューサーが木村英智氏。現在、唯一無二のアートアクアリストとして活躍する一方で、
ジャパン・クラシック・オートモービルの総合プロデューサー、イタリアの名ガラス工房「VENINI」のプロダクトデザイナーとしても活躍している。
そんな木村氏にどんな想いを込めてこの展覧会を企画したのかを伺ってみた。

——この『アートアクアリウム展』のテーマになぜ「和」を持ってきたのかをまずは教えてください。

木村英智(以下、木村) この展覧会は、六本木ヒルズで定期的に行われる「スカイアクアリウム」がきっかけでスタートしているんです。この「スカイアクアリウム」には、日本の方はもちろん、多くの外国人も鑑賞に来られます。そういった背景もあり、この展覧会にジャポニズムギャラリーを設けました。そこで、日本の文化の一つ“金魚”を中心としたアートアクアリウムを作ることで、日本の美や色使いを外国の方にも発信したんです。それを4年ほど続ける中で、「和」をテーマにしたアートアクアリウムの作品群が完成しました。このたびのアートアクアリウム展は、いわば今まで作ってきた作品の集大成なんです。

——日本の美や色彩感覚に関しては直感的に伝わりますが、そのほかどのようなメッセージを込めて、この展覧会をされているのでしょうか。

木村 観賞魚の中でも金魚はとりわけ特別な存在だと思います。その理由は、ほかの観賞魚のように自然界から獲ってきた魚ではなく、金魚は人の手によって生み出された……誤解を承知でいうなら、鑑賞のためだけに作られた水棲生物なんです。だからこそは私は、そんな金魚をはじめとした観賞魚に『晴れの舞台』を用意したいのです。見られるだけのために存在してしまった彼らのための最高の舞台、それがアートアクアリウムだと考えています。そうすることで観賞魚の存在意義を少しでも伝えられたらうれしいですね。

——アート……とはいえ、生き物を介しているので、私たちは何か危うさすら感じてしまいます。

木村 それがとても重要な要素なんです。単にキレイや鮮やかでは観賞魚の存在意義まで伝えることはできません。また、観賞魚の愛らしさを伝えるただの水槽では水族館になってしまいます。アートとアクアリウム、その二つがあることでエンターテイメント性が高まり、そこにメッセージが生まれる。生き物が持つ危うさや儚さも伝えることもこのアートアクアリウムの重要な役割りの一つだと思います。ただし、鑑賞魚の住む環境としてこのアクアリウムは、かなり好条件なんですよ。照明や流水の効果があるので一見ストレスを感じるように思われますが、まずは彼らがどう生きるかを考えて作っていますから。それでも生き物をアートに使うとは何ごとだ……という批判されることもあるんですけどね(苦笑)。

——では最後に、このアートアクアリウム展を今後、どう展開していきたいかをお聞かせください。

木村 現在、国内で全国ツアーを展開していますが、できればそれを世界にまで拡げたいですね。将来的にはアートアクアリウム展でワールドツアーを組めればと思います。そういうイメージでスカイアクアリウムをスタートさせましたから。そして世界に、日本文化はこんなにも美しくてこんなにも素晴らしいんだと伝えていきたいです。

現在のところ、木村氏のアクアリウムを模倣することはほぼ不可能だといわれている。アートアクアリウムを完成させるには、それほど高い技術と水棲生物に関する知識が必要なのだ。この唯一無二の空間は一度体験して損はない。百聞は一見に如かず、ぜひその目で日本と観賞魚の美の世界を確かめてほしい。 (BOND FUKUOKA 09掲載分)

[ 木村 英智・きむら ひでとも ]
1972年、東京生まれ。「アート」「デザイン」「インテリア」と自身がライフワークとして追及している「アクアリウム」を融合させるアクアリストの第一人者。また、環境保全活動も積極的に取り組み、米国フロリダのハーバーブランチ海洋学研究所のアクアリウムマテリアルブランド「ORA」を日本に展開させ、アクアリウムと自然環境保護を結びつける活動や、海の自然を考える活動「One Oceanプロジェクト」、米国デイビッド ロックフェラーJrが設立した「Sailars for the Sea」など様々な活動を盛んに行っている。

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