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熊本浩志 インタビュー INTERVIEW

“エネルギーの“共創”プラットフォームが、 ウェアラブル時代を加速させる。”

『amadana』で家電に“デザイン”という付加価値を与えた熊本浩志氏。
彼が次に注目したのはバッテリーだった。 スマートフォンの登場によりさまざまな生活環境が変化する今、熊本氏はバッテリーでどんな革命を起こそうとしているのか。 一方でライフワークの一環として活動している草野球チームは熊本氏にとってどんな存在なのか。
スマートフォンの登場により世界規模でモノの価値観は大きく変わってきている。そう話すのは、株式会社リアル・フリート代表取締役社長の熊本浩志氏。しかし、なぜスマートフォンがそれほど大きな流れを作る存在となったのか。そして、熊本氏はその流れをどのような方法で作ろうと考えているのか。変化するモノの価値観とその未来を熊本イズム全開で話してもらった。

——熊本さんといえば、『amadana』をはじめとしたデザイン家電のプロデュースが印象的ですが、今回撮影させていただいたように草野球もやられていますよね。しかもかなり本気で。熊本さんはなぜ本気で草野球をされているんですか?

熊本浩志(以下、熊本) 草野球もクレイジーなぐらい本気でやっているとクラウドファウンディングで2日間で目標金額が達成されるようになるんですよ(笑)。座学的な勉強よりも体験するタイプ……。だからいろんなことを体験しながら検証して、それを勉強しているんです。経験則でしか語ることができないこともあると思うので。後ほどお話しますが、これからは“共創”できるモノが残っていくと私は考えています。しかし“共創”できるモノを作るには人を共感させないといけません。多くの人はワリと簡単に共感できるものを作ろうとしますがそれはかなり難しいことで、理屈だけではどうしても解決できません。だから自分が体感して共感するかを検証する必要があるんです。ライフワークである草野球もそういった勉強の一つなんです。

——先ほど“共創”という言葉が出てきましたが、熊本さんが昨年末に新たに立ち上げたプロジェクト『amidus(アミダス)』のコンセプトにもその言葉が出ていました。では熊本さんが話す“共創”と『amidus』のご説明をお願いいたします。

熊本 まず“共創”ですが、これは一つの企業が一つの完成品を作るのではなく、ハードからサービスまで多くの企業が連携して新しい商品価値を生み出す、例えばスマートフォンに代表されるモノ作りの仕組みを意味します。具体的にいうと、スマートフォンはハードウェアそのものに価値があるのではなく、それに乗っかるアプリやサービス、ユーザーエクスペリエンス(体験感)にこそ価値があるんです。つまりハードがオープンプラットフォームになり、その上でソフトが価値を生み出すことを“共創”と表現しています。スマートフォンの登場で、今はこういうモデルが当たり前となってきました。『amidus』は、こういった“共創”できるプラットフォームなんです。一社がハードとソフトを独占していた状況はスマートフォンの登場で崩壊しました。これからは、一つのプラットフォームにさまざまなソフトが乗っかるスマート化したモノがスタンダードになってくるでしょう。

——では、そんな『amidus』では具体的にどんなプロジェクトが進行していますか。

熊本 一つは電気自動車を自走式バッテリーと考えるプロジェクトです。今まで山の中や海の側では、家にいるような快適な空間は作ることができませんでした。それはなぜかというと“電気”がなかったからです。だったらその電気を持ち出せばいいという単純な発想なんです。今発表されている電気自動車の中には、48時間稼働できるものもあります。つまり、ツールさえあれば、電気自動車の電力を使うことで満天の星空の下でもプロジェクターを使って映画を見ることもできますし、サーフィンの後すぐにシャワーを浴びることだってできるようになるんです。これこそアーバン・アウトドアだと思います。

——電気自動車をプラットフォームにしてさまざまなソフトを加えて、ユーザーエクスペリエンスを創出する。まさに“共創”ですね。

熊本 そうです。それともう一つ。iPhoneやGoogle Glassに代表するウェアラブル端末(携帯できる情報端末の総称)が発展するにあたり、必ず問題になるのがバッテリー。ウェアラブル端末を使っていろんなことチャレンジしたくても、アプリやツールが発展すればするほどバッテリーも消費します。バッテリーがなければ結局ウェアラブル端末の発展も止まってしまうでしょう。実際、そういった問題がありウェアラブル時代はこないのでは……という懸念もあります。だったらバッテリーを作ろうと。

——えっ? バッテリーですか?

熊本 そうです。スマートフォンが登場した時、多くの人がアプリを考えていましたが、私は直感的にバッテリーが必要だと思ったんです。ゴールドラッシュの時、リーバイスがパンツを作ったのと同じ発想ですよね(笑)。

——それはすごい発想の転換! それが3月26日の『Werable Tech Expo in Tokyo 2014』で発表した、このペットボトル型のバッテリー「W.E.A. BOTTLE」なんですね。でもなぜこの形にされたのですか。

熊本 このバッテリーを“共創”プラットフォームにするためです。実はペットボトルの形は全世界共通なんです。自転車やバッグのボトルフォルダはこの形をベースに作られているんです。さらに、世界で最も使われているインターフェイスのUSBや世界中の車につけられているシガーソケットを導入して、それこそ世界中で使うことができる設計になっています。もちろん、バッテリー自体も世界水準のもの。TESLRも採用している国産の最高水準の安全性を誇る、リチウムイオンバッテリーを使っています。世界の標準を使い倒して新しいものを生み出す、いわばヒップホップ的なデザインの構築ですね。世の中にすでにあるものを集めてそのものをアップデートするという。バッテリーとして存在するだけではただ形を変えただけですが、そこに想像力をかきたてるようにデザインすることでそのものの価値は拡張されるわけです。

——最後にこれからモノ作りに関してお聞かせください。前提としてどういう考えを元にモノ作りすることが重要でしょうか。

熊本 よくあるのが「Aを使って、何かビジネスができないか」という考え方ですが、これが間違い。考えるべきは、今どんなライフスタイルがスタンダードで、それに対して何が最適なのかということ。『amadana』でも『amidus』でも、私はそれをデザインしてきたんです。今後もその考えは変わらないでしょうね。(BOND FUKUOKA 09掲載分)

[ 熊本 浩志・くまもと ひろし ]
1975年宮崎県宮崎市生まれ。株式会社リアル・フリートの創業者、現代表取締役社長。 家業の「電気店」の長男として生まれ、自他共に認める“電気&電池”好き。大手電機メーカーにて、家電商品の販促企画、商品企画を担当。2002年9月に退社後、27歳で株式会社リアル・フリートを設立し代表取締役就任。2003年にはオリジナルブランド『amadana(アマダナ)』 を立ち上げ、ブランドマネージメントから 商品企画、マーケティングを自ら担当する。2013年12月には、スマートハードウェア共創エンジン『amidus(アミダス)』をローンチ。熱狂的なカルチャー を生み出すスマートハードウェア、スマートデバイスを様々な企業やクリエイターと共創し、国内から世界へ発信するプロジェクトを多数展開中。 ミネラルウォーターを持ち歩くくらいの気軽さで持ち歩けるバッテリーが誕生! 『 W.E.A. ボトル 』

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