九州・沖縄発 一流のオトナを諦めないあなたに贈るフリーマガジン変革をあきらめないオトナたちへ BOND

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遠山 正道 インタビュー INTERVIEW

“「やりたいこと」を実現するために、4つの要素を考える。”

——今回、福岡に出店された経緯を教えてもらえますか。

遠山正道氏(以下、遠山) 福岡出店の話はずいぶん前からあったんですよ。もちろん出したかったですし九州で出すならやはり福岡にと思っていました。ただ間接費なども考えると、少なくとも最初の5店舗は近くに出す必要があったんです。本社から離れた場所に出すにはそれなりの覚悟と規模が必要でハードルが高い。また、スープストック トーキョーの特性を考えると地方都市になると出店したい場所が空くまで時間がかかるんです。だから、今回の福岡店はシンガポールを除くとファーストフード業態では本州から出るのが初めての店舗になります。だからとても楽しみですね。それこそ満を持してという感じもありますし。

——遠山さんは「スープストック トーキョー」のほか、ネクタイブランド「ジラフ」やセレクトリサイクルショップ「パスザバトン」を展開されていますが、「やりたいこと」を実現するためのコツみたいなものはありますか。

遠山 私は四行詩と言っているんですが、一つは「やりたいこと」、二つ目は「必然性」、三つ目は「意義」、四つ目は「なかったという価値」という4つの要素に注意して事業を進めています。私自身、ビジネスは上手くいかない歴史が続いていて、「スープストック トーキョー」も「ジラフ」も「パスザバトン」も黒字化するまでずいぶん時間がかかりました(笑)。なのでブランドがなくなりそうな場面は何度もあったんですよ。そんな時に「それでもしたい」と言える想いや理由がないとブランドはなくなってしまいます。一つ目の「やりたいこと」に関してですが、私のブランド作りはマーケティングや売れているからということを理由にスタートしません。マーケティングや売れているがブランド作りの理由になるとそれが売れなかった時、どこに戻ればいいかわからなくなりますから。それより誰かに先を越されたくなくて秘密にしてしまうような「やりたいこと」を見つけてそれを進める方が、ワクワクできると思うんです。その上で、上手くいかなかったときに「なぜはじめたのか」ということに立ち返ることができる「必然性」が必要になります。三つ目の「意義」は世の中的なもの、もしくは社内的なものになりますが、対外的に納得できる理由もやはり必要。この3つのことをお伝えした順序で踏まえていくと、四つ目の「なかったという価値」になると考えます。そのオリジナリティが大事で、それが踏ん張れる要素になります。「スープストック トーキョー」に関しても、四行詩が当てはまっていて、まず、女性がスープをすすってほっとしているイメージが浮かび、そんな店を作りたいと考えました。そして、自分の「必然性」として、一度は社長をしてみたいと思い、社内ベンチャーを立ち上げるまでに至ります。さらにファストフードの意識改革や女性が一人でも気楽に入る事ができる場所作りが「意義」となり、それらを自分たちの「オリジナル」として世に出しています。実は「スープストック トーキョー」が思い浮かんだ後、ニューヨークでスープが流行っているというのを雑誌で読んだんですが、その記事を見たのが思い浮かぶ前だと「かっこいい」や「儲かりそう」が先行していたかも……。そうなっていたら、「なかったという価値観」を見出せないまま無くなっているでしょう。今展開しているブランドや会社は自分たちが共感してやっているのでプライドがあります。だから苦労しても踏ん張れるんです。そういうプライドみたいなものは、今の社員や店舗スタッフにもカルチャーとして伝播しているように感じます。それがオリジナルの強みだと今になって分かってきました。(BOND FUKUOKA 11掲載分)

[ 遠山 正道・とおやま まさみち ]
株式会社スマイルズ代表取締役社長。慶應義塾大学卒業後、三菱商事株式会社入社。日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社出向を経て99年「Soup Stock Tokyo」第1号店をオープン。2000年三菱商事初の社内ベンチャー企業、株式会社スマイルズを設立、代表取締役社長に就任。「生活価値の拡充」を企業理念に掲げ、「Soup Stock Tokyo」、「giraffe」、「PASS THE BATON」など、既成概念や業界の枠にとらわれない事業を展開している。2014年には「スマイルズ生活価値拡充研究所」を創立。これまでの経験による実業と妄想で、世の中に今までなかった価値を提供する。近著に『成功することを決めた』(新潮文庫)、『やりたいことをやるビジネスモデル-PASS THE BATONの軌跡』(弘文堂)がある。

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