九州・沖縄発 一流のオトナを諦めないあなたに贈るフリーマガジン変革をあきらめないオトナたちへ BOND

九州・沖縄発 一流のオトナを諦めないあなたに贈るフリーマガジン変革をあきらめないオトナたちへ BOND

柳瀬 隆志 インタビュー INTERVIEW

“「ファブラボ太宰府」を通して、 新しいモノづくりに会社として参加した”

九州・山口を中心に展開するホームセンター『グッデイ』を展開する嘉穂無線株式会社が、2014年に新たな事業をスタートさせる。

それが「ファブラボ太宰府」。

ファブラボとはMIT(マサチューセッツ工科大学)が提唱した、デジタルからアナログまでの多様な工作機械を備えた実験的な市民工房のネットワークで、世界に300か所以上も存在しているのだ。

ちなみに「ファブラボ太宰府」は福岡県内で初のファブラボとなる。

その「ファブラボ太宰府」について、嘉穂無線株式会社副社長で「ファブラボ太宰府」の責任者を務める柳瀬隆志氏に話を伺ってみた。

——まず、どんな経緯で「ファブラボ太宰府」を設立することになったのかを教えてください。

柳瀬隆志(以下、柳瀬) 日本初のファブラボは2011年にオープンした鎌倉の「FabLab Kamakura」とつくばの「FabLab Tsukuba」なんですが、私も機械や最新の電子ツールは興味があるタイプなので、「面白いプロジェクトだな」と思っていました。そう思った2年後、『フリー』や『ロングテール』でも有名なクリス・アンダーソンが書いた『メイカーズ』がベストセラーになったのを受けて、弊社でもファブラボの準備をはじめたんです。
3Dプリンターをはじめとした新しい製造方法がこんなにも注目されているなら、ファブラボを事業として展開できる気がしたんです。

「ファブラボ太宰府」設立にあたり、日本におけるファブラボの発起人で慶應義塾大学環境情報学部准教授の田中浩也さんに弊社の企画を持っていくと、快諾いただけました。
特にホームセンターがファブラボをするのが面白いと。
弊社で展開しているホームセンターグッデイも、関連会社の株式会社イーケイジャパンが製造・販売している電子ホビー『エレキット』も、“DIYである”という共通項があるんです。
ファブラボも同様に、最新のデジタル工作機械を使うDIYと考えることができると私は思います。

——では、ファブラボ太宰府にはどのような設備を導入される予定でしょうか。

柳瀬 最もポピュラーなのは3Dプリンターですが、これを使うには技術も時間も必要になりますので、お子様や機械にあまり詳しくないかたでも手軽に使用できるカッティングマシンやデジタルミシン、レーザー加工機も導入を予定しています。
また、より本格的に最新のデジタル工作機械に触れたい方用にCNCフライス盤も用意したいと思っています。
また、ここで製作される方をバックアップすることも視野に考えているところです。

例えば、ファブラボ太宰府で作られた作品を販売する特設コーナーをグッデイに設けたり、エレキットのようにパッケージ化できればいいですよね。
技術もモノを造り出す力もある……そんな方でも、実際売れるかどうかはやはり販売してみないとわかりません。
従来の生産方法だと(店頭で)販売するには、ロットもコストもある程度確保する必要があります。
ところがファブラボ太宰府にあるデジタル工作機械を使えば簡単に小ロット生産ができますし、作ったモノがグッデイで販売できれば、製作者は小さなリスクで自分のアイデアを世に出すことができるんです。
ゆくゆくはそういう環境を皆様に提供していきたいと思います。

——ファブラボを御社で展開する意義とは何だと考えますか。

柳瀬 新しいモノづくりに対して会社として参加していくことだと考えます。
新しい技術や新しい設備を多くの方に体験していただくことで、DIYをもっと楽しんでもらえればと思います。
またファブラボ太宰府はユーザーと共創する場でもあります。
ユーザー視点のモノやサービスがここからどんどん生み出せれば、事業としても成長できると思うんです。
現段階ではどう成長できるか未知ですが、それも含めて楽しみです。

(BOND FUKUOKA 10掲載分)

[ 柳瀬 隆志・やなせ たかし ]
1976年、福岡生まれ。1995年、久留米大学附設高校卒。同年、東京大学経済学部入学、ボート部に入部。2000年卒業と同時に三井物産入社。その後、2008年に嘉穂無線株式会社入社。現在は嘉穂無線株式会社の代表取締役副社長兼営業本部長、および株式会社イーケイジャパンの代表取締役社長を務める。本人曰く、電子機器や工作は好きだが、実は根っからの文系だそうだ。

BOND OFFICIAL
BOND OFFICIAL

記事一覧

BOND GIRL