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BOND THINK -PORCELAIN- / BONDが考察する「これからの器」 / 弥左エ門窯 7代目 松本哲 LIFE

有田焼が持つポテンシャルを独自の感性で昇華させる

日本の伝統工芸の代表格としてあげられる焼き物。九州各地にも陶磁器の産地は多数点在しているが、400年前、国内で初めて磁器を焼成した有田は、歴史的な観点からみてもその存在価値は非常に高い。
かつては世界中の美術品収集家たちを魅了し、マイセンのお手本にもなった有田焼。現在、有田一帯では100軒以上が窯業を営んでいるが、なかでも国内のみならず、世界的に高い評価を得ている一軒の窯元がある。それが今回フォーカスする「弥左エ門窯」だ。200年以上の歴史を有し、現在代表を務める松本哲さんで7代目。同氏が2004年に打ち出した、モダンブランド「ARITA PORCELAIN LAB」が、世界を股にかけて勝負できている理由であり、同窯元の強みになっている。数ある有田焼の器のなかでも、なぜ「ARITA PORCELAIN LAB」が脚光を浴び、世界的に強いブランド力を発信することができているのか。

ラグジュアリー×モダンの
新スタイルの有田焼で世界へ

「ARITA PORCELAIN LAB」は現代のライフスタイルに合わせて展開する窯元独自のブランドで、現在の「弥左エ門窯」の顔ともいえるシリーズ。その大きな特徴は、日本の四季を釉薬の色合い、質感により表現する点だ。古来より縁起が良いとされる有田焼の伝統的絵柄「吉祥文様」を用いるなど、トラディショナルな一面は持たせつつ、配色を変えるだけで、ガラリとモダンなスタイルへと変える。酸化することなく輝きが変わらないプラチナを使った、銀色が特徴的な「JAPAN SNOW」、桜を表現したパールピンクの釉薬が美しい「JAPAN CHERRY」など、同じ柄でもまったく違う表情となる点もおもしろい。これらの絵の具、釉薬は試作を数え切れないほど繰り返し生み出した、「弥左エ門窯」の財産。
JAPANシリーズと呼ばれる器たちは、モダンかつラグジュアリーな雰囲気を醸し、関東圏はもとより、ヨーロッパで高い評価を得ている。7代目の松本哲さんは「現代のライフスタイルに合わせたカジュアルな器は国内に多数ある。だけど、ラグジュアリーなテイストの器はなかったんです。それが、女性を中心に華やかに暮らすユーザーにピッタリはまった」と話す。
2014年9月から、ヨーロッパ最大級のインテリア&デザイン見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展し、フランスの香水メーカーとのコラボも実現。それもヨーロッパで「ARITA PORCELAIN LAB」のスタイルが受け入れられた証の一つ。「販売を優先するのではなく、まずはブランドの価値を高めることが大切」と、ブランディングに重きを置くのも世界展開を見据えた上でのことだ。

常に進化を続ける無限の原動力
伝統を守るために、攻める

2016年10月、ブランドが目指すライフスタイルを体感してもらう場所として、有田町に「アリタポーセリンラボ 旗艦店」をオープンさせた。元倉庫を利用した巨大な空間にはギャラリーをはじめカフェ、イベントスペース、キッチンスタジオを完備。中庭に有田焼のルーツとなった泉山の磁石を配し、内装を漆喰と錆鉄の2種の素材で構成するなど、モダンでシンプルながら、どこかラグジュアリーさも感じられるしつらえが印象的だ。「器は手に取ってもらうのはもちろんのこと、使ってもらってこそ価値がある」との言葉通り、カフェでコーヒーを供する際などに用いるのはすべて「ARITA PORCELAIN LAB」の器。見るだけでもそのデザイン性の高さは伝わるが、やはり実際に使ってみると、さらにその価値観は高まる。2017年6月からはランチをスタートするなど、今後ますます利用シーンの幅は広がりそうだ。
旗艦店を開いたのにはさらに理由がある。「この町は陶器市など年に数回は多くの人々でにぎわいますが、平日はほとんど人通りがありません。人を呼び集められるよう、一流シェフによる料理と有田焼を融合させた催しを企画するなど、定期的にイベントを行うために作った場所でもあります。ここに足を運んでいただくことで、ひいては町の活性化にもつながれば」と松本さん。さらに、後継者不足も有田焼が抱える問題と続ける。「弊社では40名ほどの職人さんに働いていただいていますが、高齢化は否めません。若い世代の働く意欲向上のためには給与水準を上げなくてはいけない。そのためにも世界で通用するブランディングが不可欠になってくると思うんです。利益をちゃんと残せるシステムを作っていきたい」。

福岡市内にも2号店となる「アリタポーセリンラボ ヒルトン福岡シーホーク店」を半年前にオープンさせるなど、次の一手を打ち続ける松本さん。「今年は海外向けに有田焼を使ったインテリア系のプロダクトも作っていきたいし、ゆくゆくはパリやNYにも直営店を出したい。自身のアート作品を手がけてみるのもいいですね」と、野望は大きい。このバイタリティと、斬新な発想力が世界で通用するためのキーワードかもしれない。

 

{ ARITA PORCELAIN LAB - Shop & Cafe - }

世界を魅了する器を見る、触れる、使える。有田焼の産地だからこその体験が待つ、直営店へ。

 

(写真上)ギャラリーは黒で統一された、ラグジュアリー×モダンの「JAPANシリーズ」が並ぶ部屋と、カジュアル×モダンの器をラインアップした錆鉄の壁が印象的な2スペースに分かれている(写真下)丸いフォルムの花瓶の下半分をカットし、ランプシェードとして活用。薄さが特徴の磁器だけに、灯りが透き通る様も美しい。パールピンクの釉薬をかけた「JAPAN CHERRY」シリーズが、海外、特にフランスで人気が高い。デザイン性はもちろん実用性に長けているのも「ARITA PORCELAIN LAB」の魅力だ。

 

{ Products }

春夏秋冬を色合い、質感で表現する「JAPANシリーズ」。ラグジュアリー×モダンの真髄がここに。

有田焼の伝統的絵柄「吉祥文様」が描かれた小皿。写真左奥が昔ながらのスタイルで、手前、右奥がアレンジを加えたもの。単色にするだけで同じ柄とは思えないのは不思議だ。真珠のような桜色の光沢を放つ「JAPAN CHERRY」は春のイメージ。一方、永遠に輝くプラチナをまとう「JAPAN SNOW」が表現するのは冬。

左から 銘々皿古伊万里草花紋 / ¥6,264(税込)、銘々皿JS古伊万里草花紋 / ¥4,644(税込)、銘々皿JC古伊万里草花紋 / ¥4,644(税込)、小鉢JC三方ガラミ紋 / ¥4,644(税込)、
平皿中ヤエ / ¥7,344(税込)、平皿小ソメイ / ¥3,996(税込)、ペストルタンブラープラチナ / ¥3,240 (税込)、三方なぶり鉢プラチナ / ¥12,960(税込)

アリタポーセリンラボ旗艦店

佐賀県西松浦郡有田町上幸平1・11・3
TEL:0955.29.8079
[ 営 ]11:00~17:00 [ 休 ]火曜日
http://aritaporcelainlab.com/

 

{ 2016.12.16 New Open }

アリタポーセリンラボヒルトン福岡シーホーク店

福岡県福岡市中央区地行浜2・2・3
ヒルトン福岡シーホーク4階 No.6
TEL:092.834.2221 [ 営 ]9:30~20:00 [ 休 ]なし
http://aritaporcelainlab.com/

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