福岡の八女茶のブランディング戦略を追う。 LIFE
福岡県南部に位置する、八女市。
ここで生産される日本茶は「八女茶」と呼ばれ、地元では知らないものはいない。
だが、この八女茶の茶葉生産量のシェアは、わずか国内の2.6%程しかない。
そのわずかな生産量で、その名が知れているのは「高品質」にこだわり続けてきたからに他ならない。
しかし、世界はもとより、全国的には京都の「宇治茶」がブランド的には圧倒的。
実際、18年連続で、全国茶品評会玉露部門・生産地部門では日本一を、とり続けているのは「八女茶」であり、その品質は政府をも認める日本一のものなのだ。
そんな中、2016年から始まった。八女茶の世界ブランディングプロジェクト。
戦略としては、八女茶の中でも圧倒的品質で他を圧倒する「八女伝統本玉露」をブランドのフラッグシップにして、ニューヨークをはじめとした海外で、しかもトップの料理人・フードメディアに認めてもらうためのプレゼンテーション活動を行っている。
世界中のどこに出しても、間違いないという品質への自信を得た「八女茶」は、
2019年へ向けて、さらなる展開を目指すにあたり、昨年12月地元福岡で、イベントを開催した。
「地元福岡在住の、海外エグゼクティブの方々に、最高の八女茶を飲んでもらう」
そのテーマを元に、「福岡八女インターナショナルティーセッション」を、
「グランド ハイアット福岡」のレストランで開催。
海外航空会社の九州拠点の責任者や、地元外資系ホテルのGMや総料理長など、錚々たる面々が顔を揃えた。
当日は、最初に、八女伝統本玉露のしずく茶のセレモニーでスタート。
その後、グランド ハイアット福岡のレストラン「THE MARKET F」の料理長:後藤シェフが
八女煎茶のスパークリング、ほうじ茶氷締め、八女伝統本玉露の氷出しに合わせた料理を提供した。
出席者たちは、口々に「こんなお茶は初めてだ。」「日本茶の概念が変わった」と賞賛。
日本茶=抹茶 というイメージが強い海外のエグゼクティたちが、この日本茶の革新的なイメージを発信する「八女茶」に、注目してくれることで、今後の可能性は大きく広がると、八女市農業振興課の、椎窓孝雄氏は話す。
福岡の八女茶が、2020年に向けて、どんな展開を見せるのか、BOND読者の方々も是非注目してほしい。